ストーリー
世界の崩壊から75年…。
ビルは海上に崩れ、瓦礫にまみれた世界であったが、人々は平和に暮らしていた。
夏休み。
駅は西へ向かう列車を待つ人々でごった返していた。
すべてが真白に消えてしまうような昼下がりの眩しい日差しの中で人々の話し声だけが反響していた。
午後3時。すべり込んできたのは、まるで博物館に置いてあるような古風な車両だった。
リベット打ちの無骨なスタイルの機関車に、タブルルーフの外観、ニス塗りの客車が連なっている。
「今時、こんなのが走っているなんて…」
発車ベルが大きな音で鳴り響き、少しの衝撃のあと列車が走り始めた。
永遠に終わりのない夏休みが始まる。